約 225,655 件
https://w.atwiki.jp/ohayousex/pages/203.html
「…ふぁ………んぅ。」間抜けな欠伸が不意に口から漏れる。誰かに聞かれていたら恥ずかしいが、そんな発想は寝起きの自分には無理だったらしい。ボロい布団から上半身だけを持ち上げた状態で、目の焦点を虚空に固定したまましばらく思考停止。………どうやら朝である。私はダルい首を動かし、それでも流し目で、この糞狭い寮に唯一ある窓から、外の平静をぼーっと確認すると、「……おい白鳥!!!」「ぎゅぶ!……!?」取り敢えず、床で無様にも惰眠を貪っていた男を蹴飛ばし起こす。男は何が起きたのかわかっていないようなトボけた動作を繰り返していたが、やがて起きたことを悟ると「あ、おはよう子乃ちゃん。」と微笑を浮かべたのだった。最近のコイツはよくわからない。割と痛めにした筈だが。いや、そんなことはどうでもいい。「えっと……何か言いたげ?」ご名答である。「お前、部活は何をしている?」「……えーーーーっと………」チッ、察しの悪いカスだ。何が言いたいかと言うと…悔しいが、今まで『部活』というそのものの概念を私は知らなかったのだ。要するに…コイツの入っている部活に入り、色々荒らし回ろうと思うのだが…「─────…………帰宅部…かなっ!」…即ち…帰宅する部…?言ってることの意味がわからない。「…その心は?」とりあえずそのまま聞くことにした。「…うっ…そんなことより今日は玉子焼き作るよ!!」「おいお前私を馬鹿にしてるだろいつまでも食い物で釣られてやると思うなよいいから早く作れ」…危ない所だった…子乃ちゃんの目、アレは俺に何か期待してる目だ!あの場で帰宅部がどういうものであるか、なんて説明したら肉塊になりかねん。というわけで俺は今、元気に登校中である。「(そういえば白鳥の奴…いつも放課後部活に行っている様子がないな…なぜだ?まさか私に隠れて…)」ん…?なんかまた子乃ちゃんが考え込んでるな…なぜだろう…凄く嫌な予感がするのは…「おはよーございます白鳥さぁーん!」「ゲェ!この声は!最近作者に素で忘れられていた鈴莉ちゃん!?」「なにそれ酷いッ!!」まさか第三者が介入するとはッ!!ということは…「おおう、鈴莉!貴様『帰宅部』とは何か知ってるか?」「帰宅部…?あぁ、あの法外なサボ…」「鈴莉ちゃん!!!放課後教室でちょっと話があるんだけどぉー!!」「……!!ついに子乃ちゃんから私に乗り換えてくれる気になったんですねッー!!」あぶねぇ…しかし強引すぎたか!?これでは逆に子乃ちゃんから『私から乗り換えるだと!?』とかなんとか言われて頭突かれ…「(サボ…サボ……サボテン?)」セェェーーーーーーーーーーーフ!!とりあえずこれで危機は脱し…「帰宅部とかいうこの学園の強制入部制度に反した団体は一刻も早くブチ壊されるべきだと俺は思うのだが。」! ?「はいそういうわけでしてー通りすがりのエナジーでしたーそれではサラダ……ヴァ!?」「それは一体どういうことだ…!?」通りすがりのエナジーなどと名乗った男はその言葉に突如激昂(?)した子乃ちゃんに襟を掴まれその怪力で持ち上げられた!!!「グフッ……ど、どどどういうことって、帰宅部ってのは帰宅するだけの部なんだよ!聞けばわかるだろ!!!」「なっ………」「おい貴様…!!教えてやったんだから早く降ろせ…」「……おのれ……」そして子乃ちゃんは、そのまま襟を振り回し…「!?」「おのれどういうことだ白鳥ィィィイイイイイイイ!!!!!」ぶん投げる!!!!「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」俺 に 向 か っ て ! ! ! !「うわぁあああああああああああああああああ!!!!」通りすがりのエナジーとやらはッ!そのまま顔面から俺に物凄い勢いで覆いかぶさる1!!覆いかぶさるってすげぇ微妙な言い回しだがとにかく覆いかぶさったのだ!「…殺すッ!!」しかしエナジーは、血走った目でどこからともなく銃を取り出した!!「ど、どうしてそうなるんですかァー!?」俺は動揺した!!!だがしかし、現状に嘆いている暇はないッ!!その銃口は明らかに子乃ちゃんに向いていた!エナジーが銃の引き金を引こうと指に力を入れ──「貴様ら全員殺───」──たその時!!「──!?」突如地面から無数に生えてきた鎖が銃を取り押さえるッ!!!「風紀委員四天王の一人の前で…『風紀を乱す』とはなめられたものだなッ!!」←ドヤ顔「えええええええええええええええええええッ!!!?!?!?!」俺が殴られた件についてはッ!?と言いたげなエナジーだったが「死ッッ」時、既に時間切れ!!子乃ちゃんは目と鼻の先!!!!「ねェェェェ!!!」男勝りの掛け声で子乃ちゃんは拳を振り被るとそのまま振り切る!!!当然その鉄拳はエナジーと……「グギャアア!!!」俺 に 当 た っ た ! ! ! !「ひ で ぶ」────────────…「………知らない天井だ」辺りを見渡す。そこには短い方の針が『3』の数字を指した時計と、「おはよう、白鳥。」「……あ…知ってる先生。」「…ボケたのか?」残念な胸をした白衣の女性がいた!一応言っておくが大人で先生である。胸は残念だが。まぁ…とどのつまりここは保健室のベッドである。「ところで、お前今凄い失礼なこと思わなかったか?」「思ってませんからそのメスをしまってくださるとありがたいですはい…。」「……まぁ怪我人をいたぶる趣味はあたしにゃない。…だがお前は軽傷だ。背骨が複雑骨折したぐらいだった。」「…(それ軽傷じゃねぇだろ…)っと、『お前は』?」「……もう一人の彼は…打ち所が悪くてな…」「………それじゃあ…」ああ…通りすがりの人…俺は恨まないでくれ…「あぁ……………先程完治した。」って、なんでやねん!!「おかしいやろ!!俺でもまだ背中痛いんやぞ!どういうことやそれほんま!!」「…私も驚いているぞ。お前のその関西弁とかにな。まぁそんなことよりお前のガールフレンドだが」「……ん。」白衣の先生が向かいの白いカーテンを開けると、もう一つのベッド…もといベッドに眠る少女鈴莉ちゃんがいた。もしかして、俺が起きるのを待っていたんだろうか…だとしたら悪いことをした。「お前が起きるまで待ってるとうるさくて邪魔だったんで気絶させておいた。邪魔なんでさっさと持って帰ってくれ。」「あんたが気絶させたのかよ!!」「先生にあんたとか言うな…ブッ殺すぞ。」「…ご、ごめんなさい。」「いいからさっさとそれもってけ」「『それ』て…』仕方なく鈴莉ちゃんを背負う俺。はぁ重い…最近体動かしてなかったからか…こんなに重く感じるのは。……しかし…鈴莉ちゃんか…別にいて欲しかったわけじゃないけど、子乃ちゃんがいないとなんだか調子狂うな…そもそもここにいるのが子乃ちゃんにぶん殴られたからだし、それはないか。「…あれ?じゃあ俺を運んでくれたのは鈴莉ちゃんなの?」「あぁ、それなら…」先生が言葉を紡ごうとした瞬間、まさに待っていたと言わんばかりのタイミングで保健室の扉が開かれた!!「おい鈴莉ィ、迎えに来たぞ………!?」「!?」ゲェ───!!「通りすがりの彼が壱河に頼まれて運んできたらしい。君とアラドをな…。鈴莉ちゃんは力仕事は似合わないらしいから…って聞いてる?」あぁ…そこには…忘れもしないッ!!あの風紀委員自称四天王の一人…大鎌の男がいた!!!「き、貴様ァアアアアアア!!!また鈴莉が無抵抗なのを良いことに……何をしている!?!!」そういいながら男が手に『鎌』を生成する!!なんでこいつはいつもこんなに生き急いでるの!?「ブチ殺ォ……」「う、うわぁあああああああああああああああああ!!」大鎌男は容赦なく鎌を振りかぶり…「保健室で暴れるな!!!!」と一喝を上げた先生が大鎌の男をぶん殴った!!その女性故に細い腕のどこからこんなパワーが来るのか知らないが、大鎌男は横薙ぎに吹っ飛んだ!!お前が暴れるな!と言いたいところだがここは素直に感謝して貰おう!大鎌男は壁に叩きつけられ、そのまま動かなくなったようだ「おい、その鈴莉とかいう子連れてくとまたコイツに襲われるかもだぞ。」「ハァ…じゃあもう後は四天王の人達に任せますね。」「ふぅむ…保健室を破壊しよってからに…困った奴らだ全く。」「(あんたもな…)」俺はそう思いながら保健室を出…「……あ。」「………白鳥。」るとそこには子乃ちゃんの姿があった。どうして?何故?待ち伏せ?…様々な思考が俺の内に秘められたスーパーコンピュータ頭脳の如く行き廻り最終的な結論が出たのだった。『ぶん殴られるんじゃね?』とりあえず俺は素早く防御体勢を整える!!これなら腕一本が折られるだけで済む!大丈夫!背骨骨折とか余裕で死亡レベルの傷を完治に導いてくれた保健室の先生がいるんだ俺には!痛いのは一瞬さ!「さぁどこからでも来い!!」「……………。」「あれ?」しかしいつになっても痛みは来ない。いや待てよ…これはフェイントかも…「なぁ白鳥…色々な部活を見学して回らないか?…私とっ!」その時の子乃ちゃんの顔は、よく覚えている。そう、何故か頬を赤く染めていたのだ。ちょっと不覚にもちょっと女の子に見えてしまった。一方俺の顔は青く染まっていた。寧ろ黒かった…。と、言ってる間に下校時間。俺は今日の殆どを保健室のベッドで過ごしたわけだが…まずこれをお話しよう。俺が『帰宅部』になったワケ…。それは言わずもがな、『死亡フラグ回避』の為である『夢幻学園』でいう部活とは、『死亡フラグ』の宝庫と言っていい。それも一般人だけではない。どんなに強力な異能者でも部活によるが、容易く『死ぬ』。ましてや、正真正銘…後から覚醒したりするタイプでもない完全無欠の一般人であるこの白鳥裕也に隙はなかった。「そう!部活とは非情なものなのだよ子乃ちゃん。わかってくれたかい?」「ワクワクするな!!」「早く俺を殺してくれぇぇ!!」いやまて落ち着くんだ白鳥裕也ただの見学だぞ白鳥裕也そんな見学で…白鳥裕也…そんなフツーに死ぬなんて…白鳥裕也………「まずは殺戮部とかが良いかな?」「お願いですからやめてください!!」「み、見事な土下座だァー!」子乃ちゃんの口調がおかしくなるレベルの見事な俺の土下座が決まった!!死ぬほど情けない!!!!しかしそれは無意味ではなかった!その余りに見事な土下座に心を奪われた子乃ちゃんが、「今日は一先ず帰ろう!」と言ってくれたのだ!だが…それは所詮、たった一日延命できたというだけの話であった……☆その日の夜☆「ワクワクして寝れないな!白鳥!」「…寧ろ恐ろしくて寝れないね。」この時白鳥は、僅かな記憶の断片を床で寝ながら垣間見ていた………(あれ?何か忘れているような…気のせいか?)ちょうどその頃…完全に辺りが暗くなった夜の教室では。「白鳥さん遅いなー…」一人の少女が放課後からずっと待っていることを、白鳥は知ら鳥…To be continued!!
https://w.atwiki.jp/ohayousex/pages/300.html
「はぁ…。」 白鳥裕也の溜息の理由が知りたい人は下の前回のあらすじを見よう! ☆前回のあらすじ始まり☆ 子乃ちゃん「そうだ、白鳥と一緒に部活入ろう。」 ☆前回のあらすじ終わり☆ ケヒッ───見事に溜息しか出ねェや…。 俺、白鳥裕也は現在、定位置となった教室の窓際………より一つ右にずれた席にて項垂れていた。 窓際が良かったなァ…ほら、なんか窓際ってラノベの主人公とか人気じゃん…なんで俺は窓際じゃないんだ…?一生の疑問。 しかも、背後。無論、邪神の席。(PART1参照…と言いたいところだがやはり恥ずかしいので参照しなくても良い) 「クックク…どんな部活にしてやろうか…クキキ……!!」 などという呪詛が延々と流れ続けるのだから俺はやはり溜息を吐く他なかった。 子乃ちゃんは、これで素なのだから末恐ろしい。 そして俺は心の底から懇願する。 誰か助けてください…この痛みから誰か開放して! と…。 ──次の瞬間!! 「白鳥さん!」 突如、意識外からの口撃ッ!これは予想外! 「あはい!?」 下からガタッと椅子と床が擦れる音がする。 自分の名前を呼ばれるのは慣れないのだ…子乃ちゃんと会ってからは特に。 「全く、駄目ですよォ~余所見したら。この問題、わかりますか?」 「え…いやあの…ちょっとわからないです…」 なんたることだ…とんだ赤っ恥だ! おのれ…と俺は目の前の担任を睨む…(実際は『見つめる』レベル) ──否ッ!!睨んだ積もりだったのだ!!(読んで字のごとく) 何故なら、そこには担任…京塚玲美の推定Dカップの乳房があったのだから…。 (Oh......ほんのちょっとだけだが痛みから開放されたぜ…) 「それじゃあこの問題、若林さんに問いて貰いましょう。」 …しめた!思わずグッジョブ!と言いそうになる。 子乃ちゃんは先程から部活…部活…とまるでどこぞのレイパーのようにうわ言を繰り返していた。 絶対授業の内容など頭に入っていないことでしょう! 「ふむ、答えは『Because a ball came suddenly.』(ボールが急に来たので)だな。」 ───あぁ、そういえば、頭が無駄に良いとかいう果てしなく無駄な設定がありましたね。 でもね、その無駄な設定が、今の俺を苦しめている。これはちょっとした恐怖ですよ。 「正解!白鳥さんも若林さんを見習いなさい?」 \ワハハハハハ/ そして、漫画のように笑いの渦に包まれる教室。 \白鳥は馬鹿だなぁ/ 「こら、皆さん駄目ですよ。白鳥さんだって頑張ってるんですから。」 いらないフォローをいれる先生。 「この虫ケラ共がァアアアアアアア!!!!!!! 揃いも揃ってこの白鳥裕也様を馬鹿にしやがってよォオオオオオオオオ!!!!!! 皆殺しだ!!!!!全員表にでやがれェエエエエエエエイ!!!!!!!!!!!!」 ───理想↑ 現実↓ 「はい…以後気をつけます…すいませんでした…」 座って良いという許可が先生が降りると、俺は即座に座った。 そして………なんか、全てが怠い。 「(あぁ…早く昼休みにならねぇかな…。)」 俺は、頬杖をつきながら虚空を見た。 とにかく、昼休みにならないことには始まらない…。 授業を聞く気にもならない…また指名されたらどうしよう。 そう思いつつ、俺は特に意味もなく視線を右側のドアに移していた── ガラッ 開いた!!!! 「「「「!?」」」」 授業中に突如開いたドアに、当然ながらクラス全員と、先生の視線が集中する。 開いたドアから出てきたのは、子乃ちゃんと同じぐらいのサイズの女の子……しかも知っている顔で、さらに言うと馴染みの顔だった。 「おや…万年欠席のブラクさんじゃない。やっと学校に着てくれる気になったのね?」 意外ッ!!クレイちゃんッ!! しかし、その顔は何故か暗く沈んでおり、俯いている。 いや、暗く沈んでいるというより、何かプルプル震えて── 「──わたくしは馬鹿であった…」 「?」 「実は…わたくし最近性犯罪者抹殺プロジェクトを始動しておりまして。 今こうしている間にも性犯罪者達によってこの夢幻街の貴重の少女たちの命が奪われようとしていると思うと、授業どころではないんです。」 「は、はぁ…その心がけ、立派だけどブラクさんはまだ学生…」 「そう、思っている時期が私にもあり申した!!!」 「!?」 「この夢幻学園!!!!超巨大な敷地でこの混沌とした夢幻街でもかなり目立つ巨大施設!!! 例外なくそこにもロリ天使達は存在する!!!!!同時にッ!!それを脅かす邪鬼も存在する!!!!! それを、今から1時間前の執事との会話で気づいたのです…!!」 ────今から1時間前の会話…… 「ハァ…ハァ…良い…幼女のお風呂シーン……!!」 「お嬢様は、いつもこうやって空中から円盤型偵察機に乗って双眼鏡でパトロールをしたり 実際に降りて人目のつかない細部まで襲われているロリっ子、困っているロリっ子を探すのに非常に熱心ですが…」 「?」 「一応入学していることになってる学園には行きませんよね?なんでですか?」 「そりゃあお前、授業なんてウケてる時間があったらもっと広範囲の偵察ができるだろ? それに学園の偵察は一週間に一度の間隔で既にしているから、抜かりはない。」 「ですが、お嬢様。考えて見てください。お嬢様は永遠にそのお姿のままで老いることはありませんが、 戸籍上だと年々数字が一つずつ追加されていき、最終的には合法的にあの少女たちの楽園へ入ることすらできなくなるんですよ?」 「えっ?」 「私は別に全々構わないんですが、昔から気になっていたんですよ。お嬢様が何故学園に行かないのかが。」 「い、いやでも偵察は…済ませてるよ?な、何の問題もない…そ、それに私はほら、そんな疚しいアレではないし…。」 「良いんですか?少女達とせっかくの青春を送れなくなりますよ。それにほら、プールなどのイベントで着替えなども…」 「たまには校内パトロールもしないとな!!!!!」 ──── 「───お分かりいただけただろうか?」 それ、無い胸を張ってまで教室中に響くぐらいの大声で説明する事なんだろうか…。 ていうかなんだそのドヤ顔は。私、凄いことに気がついたんだぜ、とでも言いたげである。全く以て腹立たしい! 「は、はぁ…まぁ、ほどほどにね…」 無論、流石の先生も苦笑いであった。 っておい、ちょっと待てよ? それでなんでクレイちゃんがこのクラスに来るんだ…? えっ、ちょっと待って、つまりそれって… 「つーわけで、私の席はどこだったかなー…」 「あぁごめんなさい、あまりに来ないから席片付けてたわ。取り敢えず若林さんの後ろで良いかしら」 「ほう!」 「ちょっと持ってくるわね~授業中にごめんね皆ー」 …なんてことだ、こんなの絶対おかしいだろう! 大体、路角で偶然会った女の子が転校生でした~なんて例も類稀だってのに…! 偶然であったロリコンがクラスメイトでしたなんて、洒落にならんぞ…!!! 「…君が私の前の席の若林ちゃんかね!ほっほう、中々の幼女体型…ん?なんかこの貧相な胸どこかで…」 瞬間── ──マッシブ!!!!!!!! と叫びながら地面に頭を埋めるクレイちゃん。 騒然となるクラス……といったほどでもない。皆が皆、関わるまいと目を逸らしている。 「……!この蹴りの鋭さも感じたことがある!君!下の名前は子乃だろう!毎日沢山のロリっ子と出会うから忘れていたわファハハハハ!!」 頭の半分地面に埋めながら何言ってんだこの幼女(仮)…。 子乃ちゃんは相も変わらず地面に生み落とされ誰も拾わぬまま蠅にたかられるクソを見るような冷たい目でクレイちゃんを見下ろしている。 その目に気づいてのか「ウヒッ…いかん、マゾに目覚めそうだァ…!」と地面に半分頭を埋めながら体をクネクネさせるクレイちゃん。 つーか、今更だけど俺の周囲の幼女は皆変態しかいねぇのか!? ======================================================== そんなこんなで昼休みになった。 「よし!白鳥!弁当を食おう!」 「いいやッ!駄目だ!!こんな性犯罪者と一緒に弁当食うなどマッシブ」 「あっごめん今日俺お腹いっぱいだから。」 「なっ!?」 俺は何言ってんのこいつ…信じられない…という顔をする子乃ちゃんや、顔を半分地面に埋めたクレイちゃんなどを振り切り、教室を後にした! 俺がこれからすること…それは『部活』について…今から調べるッ!!! この夢幻学園、知っての通り一見アホに見える賢者から、どこからどう見ても人間な化け物だとかなんでも取り揃えていやがる。 なんとも、多種多様という言葉で片付けるには余りに浅慮であると思えるほどに、まるで年々増え続けるポケットモンスターのように。 取り揃えていやがる。 しかし、そんな無駄に良い品揃えは、この名一般人の白鳥裕也にとってみれば障害以外の何者でもない!!! 「というわけで、京塚先生…部活が…したいです…」 「いやそんなスラムダンクっぽく言われてもね…」 京塚玲美、年齢不詳。男なら必ず目が胸部付近へ行くであろう…Dカップという、そこそこのおっぱいの持ち主だ。 今現在、俺は職員室に来ている。後ろからは普通に仕事をする教師や、ヒーッハーッなどと叫んでいる教師まで…まさしく多種多様。 多種多様なのは、生徒だけではなかったか…浅慮なのは俺だったようだ。フッ、いきなり背後から槍が飛んでこないか心配だぜ。 「でも、白鳥さんって帰宅部でしたよね?確か── ──『一般人であるこの俺が、活気あふれる異能者の方々と元気に部活なんてしたら一日で肉塊ですよ』とか得意気に言ってましたよね?」 「よ、よく覚えてますね、そんな昔のこと…。」 確かにその通りだ。露骨に声真似までしやがって…しかし! 「しかし!事情が少々代わりましてね…。それであの、できれば俺みたいな一般人でも入れる部活が良いなと。」 「……そうですか?だったら、ここなんてどうでしょう、『人間部』。参加資格、人間であること…だそうです。 集まって何をしているのかちょっと謎ですけどね。」 「いや…ちょっとそれは…(胡散臭すぎる…明らかに地雷だな…)」 はは…と口を濁す。それに、肝心の子乃ちゃんが何か…胸を張って人です!と言えないし。 「そうですか?だったら、こっちの『アンチ異能者部』とかどうです?異能力の才能が無い人が集まってる部活のようです。」 「いや…それも無理かな…」 「え?なんでです?」 …ハッ!となる。 そういえば、この先生には、俺と若林子乃ちゃんの関係について話していなかった。 いや、そもそもこの先生と話すことも余り無かったしな…。 最初の頃は安全な先生かどうか見極める為になるべく距離を置いて観察していたし。 なるべく教師とは生徒と同じで保身の為に関わらないのが俺の信念だし。 そう…例え、おっぱいが大きくても、だ。 あ、取り敢えず先生の俺を見る目が怪しいものを見る目に変わりつつあるしそろそろ答えよう。 「いや、あの…連れがいましてね。一緒に部活に入るそいつがかなり異能者でして。」 取り敢えず、これで良いだろう。それが若林子乃であると、一々言うこともない。 俺は言って、先生の返事を待つ。……しかし、10秒経っても返事が返ってこない。 俺は、眼の焦点を胸部から顔に移してみる。 そこには先程の子乃ちゃんのような、何言ってんのこいつ…信じられない…と言った感じの顔をしている京塚玲美がいた。 「えっ…連れ!?友達がいるの!?クラスで友達が一人もいない上に勉強も成績最悪…! 異能力に関しては才能皆無!という全く以て救い難いある意味問題児だった白鳥さんにそんな人が!?これは意外だわァ~!」 お、おう。 最近なんだか涙腺が脆くなってきたな。何故か知らんが、涙が溢れてきやがる。 取り敢えず悟られる前に涙を涙腺に戻しておく。 「あっと、ごめんなさいね、ちょっと…余りにも意外だったもので。」 「いや…事実…ですからね…。」 悪びれる様子もなく淡々と言い切る先生。フヘヘ…先生って天然だぁ…… 「えーっと、それじゃあ………………ごめんなさい、先生てっきりこの二つのどちらかから選ぶと思ってて… 全然思い付かないわ、あなた用の部活…どうしましょう…ちょっと考えさせてくれる?何しろ沢山あるからねぇ…。」 うーんと唸る先生は、そう言うと部活の名前が連なった紙のようなものっつーか紙を取り出し、それを凝視し始めた。 「あ、取り敢えずご飯まだでしょう?食べておいで。後で…そうね、放課後までには纏め上げて見せてあげるわ。」 「おお…ありがとうございます!」 今日初めてこんなに話したが、良い先生じゃないか!久々にまともな先生に会えた気がする。 こんなに良い先生なら、最初から話しておけば良かったなぁ…。 「じゃあ、失礼します!」 はい~と手だけ振る先生のお姿は、なんだかとっても普通の学校に済む白鳥裕也とその担任の一シーン…日常的ヒトコマのようで、なんだか神々しかった。 あぁ、素晴らしい。俺、結婚するならああ言う人とするわ…。 「白鳥ィアッ!」 「!?」 そして突如後ろから怒号が響く!!! それと同時に物凄い殺気を感じた俺は、一歩体を仰け反らせるッッ!!!! ブォオオオオオオオオン!!!!!!!!! 「ギャアアア!!!!」 一歩先…先程まで自分の頭があった位置を物凄い勢いで、人一人ぐらい簡単に真っ二つにできそうな大鎌が振り下ろされるッ!! ガシャグアンッと大層な音を立てて地面に突き刺さった大鎌…大鎌と言えばッ!! 「ここであったが百年目…!よくも鈴莉を泣かせたな白鳥ィイイイイイイイ!!!!!」 虎菊紅閻、その男である!! 二年生である彼が何故三年の階層に!?だとかそんな突っ込みはどうだっていい! このままでは死ぬ!!!!! 「ま、待て!!話をしよう!!!鈴莉ちゃんは何故泣いているのかとか!!!」 「なァ~…ぜェ~…だァ~…とォ~~~…?」 ギギギ…と憎悪の篭った鬼のような目で俺を見てくるクエン酸… 「貴様…白を切るとは…本当に殺されたいらしいな…」 えぇえええええええええええええええ!!! 「いやだって!!本当に心当たりが……あっ」 「思い出したか、この甲斐性なしがァアアアアアアア!!! 貴様のせいで鈴莉は風邪をひいた上に傷心中であられるのだぞォオオオオオ!!!!」 忘れてたァアアアアアアア!!! こここここ、こういう時わ… 「ごめんなさいッッ!!!」 「!?」 土下座あるのみッッッ!!!!! 「大変…申し訳ありませんでしたァッ!!鈴莉ちゃんと友人であるあなたの気持ちはァッ!!よぉおおくわかりましたッ!!」 「(な、なんという洗練された土下座…先程まで殺してやろうと思っていたのに…物凄い勢いで戦意が削られる…ッ!)」 「ですが!鈴莉ちゃんに一言会って詫びる為にッ!!どうか命だけは助けてください!!!!! 不躾ですがッ!!!!筋を通したいんですッッ!!本当にすいませんでしたァァアア!!!」 八割本気、二割演技といったところだろうか…これも俺が学園で生き延びる為に培った謝罪法の一つだ…! ていうか鈴莉ちゃんマジでごめん… 「ぐ…ぬ…ぬ……」 ガシャアアンッ!!!と大鎌を手から零す紅閻、どうやら折れたようだ。 「そこまで謝るなら命まで取らないで置いてやる…放課後風紀委員会総本部へ来い!貴様に先程の土下座を鈴莉の前でさせてやる!!」 「はいッ!!ありがとうございますッッ!」 フンッと鼻を鳴らし、鬼のような眼差しで俺に一瞥をくれてから、彼は去っていった……なんとか一命は取り留めた。 ……………えっと、放課後だって? キーンコーンカーンコーン そして鳴るチャイム。終わる世界(弁当食いそびれたこの野郎ォオオオオオオアアアアアアア!!!!)。 ======================================================== なんだかんだで放課後、というか…俗に言う帰りの会の後、教室にて 「子乃ちゃん!!まず先に謝らせて貰う!」 「何!?」 「生きててごめんなさい!!!」 本日二度目の土下座ッッ…までしたら流石の子乃ちゃんもドン引きしそうなので、九十度の平謝りだっくらえッ! 「なんだかわからないが許すッ!!!」 勝った!第三部完ッ!! 「それで要件なんだけど、今日は部活探すのは用があって無理だ!ごめんね!!!だから今日は一人で帰っ」 「許さん!!!!!!!」 マッシブ!!!!!!かかと落としを喰らった!!! 「子乃ォ!!平謝りされているようだが何があった!まさか妊娠させられガッシブ」 ガシィッ!!と床に埋まった俺の頭に足を乗せてくる子乃。 同時に埋まっているクレイの羨望の目が非常に憎ったらしい。 「理由を聞こう、白鳥…答えによってはこのまま踏み潰す。」 「ギギギギギ…いや…その…かくかくしかじかで…鈴莉ちゃんに会わないと俺の命がヤバヒギッ!!!」 頭に力が加わる!!!いかんこのままでは遅かれ早かれ割れる!!!確実に割れる!!どうすれば良いッどうすれば 「そうだ…子乃ちゃん!子乃ちゃんも一緒につれていってあげよう!」 「ばっかじゃね~の?そんなことでこの鬼畜幼女子乃たんの魔の手…いや、魔の足とでも言っておこうか…魔の足から逃れられるわけがない」 た、確かに…腹立たしいがクレイちゃんの言うとおりかも… 「…構わん、良いだろう。私も連れていけ。その代わりとっとと済ませよ!!」 「お、おお!!ありがとうございます!やったー!」 「なんだと!?」 よっしゃああああああなんかわからないけど生き残れたぞおおおおおお!! 「(まさか子乃ちゃんがこんな尻軽だとはな…)構わん、良いだろう。私も連れていけ。その代わり子乃たんを妊娠させる権利を、」 その日、クレイちゃんは現代オブジェになった。 ======================================================== ───夢幻学園中等部。 中等部では、委員会ごとに部屋が設けられ、特に重要な風紀委員会ともなると専用の施設が建つほどである。 さて、ここ風紀委員会総本部へ来るのは二度目となるわけだが…いつ着ても、これを生徒達が運営していると思うと、 大袈裟だが風紀委員会が一つの組織のように思えてくる…なんか893的な方の。 「…来たか。」 そこには、待っていたのか…二年生風紀委員会総本部と達筆で書かれた看板の横に、昼間に会った後輩……とは思えぬ目付きを持つ鎌男、虎菊紅閻がいた。 一応子乃ちゃんには争いごとは起こさないように念入りに言っておいたが、曖昧な返事しか返してこなかったのでかなり不安である。 「入れ。…ってそっちの女は!!」 「よう鎌男、またやるか?」ニヤ 「ちょっ、子乃ちゃん!」 「………………………今はよそう。」 なんだその間は。一瞬構えただろ、おい! 「そうか…」 ていうか子乃ちゃんも子乃ちゃんだよ!何その残念そうな顔!煽らないでよ!!! とか言う勇気は勿論ない。あるわけない。言うわけない。 つーかこの二人に挟まれるって最悪なんだが…死ぬんじゃない俺? 途中、険悪な空気を発する二人に挟まれつつも廊下を歩いていると、突如イケメンがドヤ顔で話しかけてきた。 「やぁ~久しぶり…ってほどでもないね、白鳥くん!作者的には半年ぐらいぶりだけど、私達的にはまだ一週間も経ってないね!」 何言ってんだこいつ。気でも狂ったか? 「えーっと…ミヤギさんでしたっけ?」 「ミヤジョウだ、四天王の一人の宮城義男!!間違えないでくれたまえ…!」 いかん…やばい怒ってらっしゃる……? 「まぁ良いよ。私はそこの癇癪男とは違って心が広大なのでね。」 「チッ…」 ミヤギ…ミヤジョウさんが髪を無意味にファサァ!とするとこう言い出した。 「ふむ、取り敢えず、ロビーでお茶でも飲まないか白鳥くん。話はそれからで良いだろう?そちらのお嬢さんも、どうだい?」 「いや俺達急いで「お茶というものは美味しいのだろうな!?」ええ…」 勿論おいしいぞ!よし決まりだな!と、指をパチンと鳴らして廊下を進む宮城さん。(ていうか、なんで俺後輩にさん付けしてるんだろう…) 「ついてきたまえ、こっちがロビーですぞ!」 ていうかこいつの動作の一つ一つが凄いうざい…勿論口には出さないけど… こうして、俺らはなんだかんだでお茶を飲むことになった。つーかさっさと済ませるんじゃなかったのか子乃ちゃんはよォォォ!!! お茶うめぇええ!! 「美味しいっすねこれ!!!」 「気に入ってもらえたようで何よりだ。」 「なんだこの飲み物は…苦い、苦いぞ白鳥ィ!」 「いやお茶だからね、そりゃそうでしょ…」 的外れな感想を言う子乃ちゃんは、満更でもなさそうだ。良かった良かった!平和が一番だね! 俺達は今廊下を抜けた先のロビーの食堂にてお茶を出されていた。 「普段こんな所で活動してるんですね…」 「というかここで生活してるしね。」 え!?と思わず声が出る。 つまりここが寮代わりという事か…? 「いや、我ら四天王は家が無くてね。寮を借りるお金もないから、しょうがなくここで暮らしてるってわけさ。 まぁこの学園のことだし、頼み込めばただで貸してくれるかも知れないが…」 ただほど恐い物もあるまい?と付け足すように言う宮城。 「おい!おかわりはないのか!?」 KYにも程があるよ子乃ちゃん!!! 「あぁ、あるよ。どんどん飲むと良い。白鳥くんもどうだい?」 急須で子乃ちゃんの湯呑みにお茶を汲みながら聞いてくる。 そんな図々しい事…いや、でも美味しかったしなぁ… 「あ、じゃあお言葉に甘え「いい加減にしろ!!!!!!!!!!!!!!!!!」!?」 ドォンッ!!!とテーブルを叩いたのは虎菊紅閻だった! 突然の出来事に驚いて湯呑みからお茶を俺の顔にぶっ掛ける子乃ちゃん。 同時に俺の方に急須の中身をぶち撒ける宮城さん。 「こいつらは客じゃねぇんだぞ!……あ。」 「ギャアアアアアッツイツイツチチチ!」 昏倒すると後頭部を床にぶつけさらにその床がズボッと抜ける。 頭を地面に埋めるのは本日二度目になるが、事故で頭を地面に埋めるのは生まれて初めてであった。 「……ドリフかよ……」 そう誰かが呟いた。 「……ま、まぁ……さっさと鈴莉のとこいくぞ。ほら…手ぇ貸す…」 「あぁ…ありがとう…ございます」 流石の紅閻くんも良心の呵責があったのか俺に憐れみの目を向けてくる。 ……なんだかとっても情けない気持ちになったが、邪神とは言え子乃ちゃんなどという娘っ子に毎日殺されかけてるし… 今更すぎるな、と。自分の自尊心はどこにあるんだろう、と。 あ、駄目だ、これ以上考えたら涙が(ry ======================================================== 我々は二階に昇ると、仕事感溢れる一階とは打って変わってなんだか生活感溢れるここを目の当たりにする。 クエン酸はこっちだ、などと不機嫌な調子で言いながら案内されたのは、『鈴莉の部屋』と書かれた室名札がぶら下がる扉の前である。 「ほら、早く入れよ。多分不機嫌だから。」 「あ、はい…」 俺は言われるがままにノックをすると、ドアノブに手をかける。 「お邪魔しまーす…」 ガチャッと扉を開けると、そこは女の子の部屋でした。 いや、当たり前って言ったら当たり前なのかも知れんけど…ここ風紀委員会の総本部だよね!!? なんだか黄色とピンクの花柄の壁紙に、辺りにはぬいぐるみが沢山置いてある…まさに女の子。 ハッとなり、部屋を見渡して1秒で彼女の存在に気づく。 ベッドから半分だけ体を起こしていた彼女は… 「あ、白鳥さん…」 目がいつもより眠そうな、マスクをつけた鈴莉ちゃんであった。 俺が放課後の事を忘れた上に寒いダジャレまで付加したおかげで、こんなそろそろ梅雨だって季節に風邪をひかせてしまった…。 我ながらかなりの罪悪感…故に、俺は即行謝ることにした。 「鈴莉ちゃん。本当にごめん…!!」 「………良いよ、そうだよね、私アレだし。影薄いしね…忘れても、しょうがないよ。」 ふふ…と、風邪のせいなのか赤い顔で、愛想笑いをする少女。 「…いや…そんなことは…」 「………この話は、やめよっか。」 「………。」 「………。」 「………。」 あ、やばい。この重圧やばい。死ぬ… 「あ、そうだ…白鳥さん、虎菊くんから何かされなかった?」 「え?えっと、大鎌を振り下ろされました。」 そぉい!!!とグワンッと手を突然振り上げる鈴莉ちゃん。一体何事か、と俺は思ったが、それは恐らく『異能行使』の合図だったのだろう。 扉の向こうから紅閻の断末魔が聞こえた…。 「ごめんね、襲っちゃ駄目だからねーとは言ったんだけど…聞こえてなかったみたい。」 「はは…」 鈴莉ちゃん思いなんだなぁ、アイツ…と思ったが、正直命を狙われる身からしてみると洒落になってない…まぁ今回は自業自得だが。 限度を弁えろよ、あの鎌野郎!などと考えていると、鈴莉ちゃんがさらに続けて口を開く。 「……あの、さ。昨日の放課後、私に何を話す積もりだったのかな?」 「え?」 「今は二人きりだし…教えてよ、白鳥さん。何を話す積もりだったの?」 「………。」 えっーと………。 ─────なんだっけ。 あ、放課後?放課後…あーあー……そういえばあの時… 鈴莉ちゃん!!!放課後教室でちょっと話があるんだけどぉー!!とか言ったような気がする…(EX3参照) ………完全に口から出まかせです。本当にありがとうございました。 「えっと………うーんと…あぁ!!そうそう!!」 「?」 「今度さ!子乃ちゃんと一緒に入る部活を探すからその時一緒に良い部活はないか探そうよ!って言おうとしたんだよ!!!」 「………ふーん………」 「(あれ?なんだ、なんだかすごい地雷を踏んだ気がs)」 「白鳥さん」 「はい?」 「このニブチンがァアアアアア!!!!」 突如ぬいぐるみを持って振りかぶる鈴莉ちゃん!! そして投げる鈴莉ちゃんッ!! 「ちょ、風邪ひいてるのにそんな体動かしたらアブッゥウ!!」 グシャア!!!と俺の顔面にめり込むぬいぐるみ……なんだこのぬいぐるみはぁ!! 中にジャラッて感触が…こ、これはもしや…中に鎖が入っているゥ!!? 「絶対に許しません!絶対に許しませんからね!!!」 放たれ続けるぬいぐるみ爆弾…! そのどれもが頭、顔、胸、腕、足、鳩尾などに命中していく…。 「ググガァ!!アビバァ!!マッシブゥ!!!」 いかん、意識が朦朧としてきた…なんだこの拷問は…自業自得とは言え……これは流石に死…… 「絶対に許しま…あふん」 ───ッ! 俺より先に鈴莉ちゃんに限界が来たのか、ベッドから前のめりに倒れる鈴莉ちゃん──を、なんとか受け止める俺。 首筋に、彼女のはぁはぁと言う荒い息が当たる……これで彼女が巨乳だったらプロポーズをしているぐらいエロい…! 「あ………白鳥さん………」 っと…自分が倒れた事に漸く気がついたような感じの彼女の声で、俺は我に返った。 俺ってばなんて不謹慎な男だ!風邪の女の子に劣情をきたすとは…! 「大丈夫…鈴莉ちゃん…?」 「……急に取り乱してごめんなさい…私は大丈夫ですよ、もう立てま、ハックショォン!!」 「うお、危なッ!」 残念だったな、俺の第六感は、数々の死線を乗り越えてきただけあって凄まじい!ほとんどニュータイプと言っても過言ではないだろう! 彼女のくしゃみを頭を動かし華麗に避けると、頭を元の位置の戻す俺。 「すいません……」 「…君が謝ることなんてなんにもないよ。こっちこそ、風邪ひかせちゃってごめんね鈴莉ちゃん。」 「……それはもう許します。私も大人気なかったし…。」 「あ、あぁ…ありがとう、鈴莉ちゃん。」 よし!何か急に良いムードになってきた!よし!これで後味良く帰れそう!よし!よし! 「おーい白鳥!まだなのかー!?さっさと帰るぞー!!お茶はもう飲み飽きた!!!」 よし!ナイスタイミングだ邪神子乃ちゃん! 「はいはーい!……そういうことだから、お大事にね…あと、ごめんね鈴莉ちゃん!」 「はい、白鳥さん!また学校で会いましょう…!!」 「はーい…?」 なんか顔がさっきより赤くなってないか、鈴莉ちゃん…マジでお大事にした方が良くね、これ…後で紅閻くんに伝えとこうか…。 そう思いつつも、俺はドアノブに手をかける─── 「おかえりなさい、白鳥くん。」 「長かったな、テメェ…」 扉を開けたらそこはまるで別世界! 頭に何故か先が尖った鎖が突き刺さり血が流れているクエン酸とイケメンの宮城さんがいた! 「…まさか中で怪しいことを…「滅相もない!!!証拠に悲鳴とか聞こえなかったでしょう!?」…………。」 なんでこの鎌男はこんなに疑り深いのだ…俺はマジで勘弁して欲しいと言わんばかりに弁解しておく。 「ハッハッハ!貴様はずっと殺気立っているなぁ虎菊紅閻!いい加減疲れないのか?」 などと子乃ちゃんが挑発的な口調で言う。思って言っちゃいけないことってあるよね!!! 「なんだと、貴様!」 完全に臨戦態勢の二人…なるべく距離を置いておき、俺は気になったことを宮城さんへ聞くことにした。 「すいません、宮城さん。」 「ん、なんだい?白鳥くん。」 「この前ここに来る時にいた、影の人が見当たらないみたいですが…いや、会わせろって言ってるわけじゃあなくてですね」 「あぁ、彼はああ見えて夜型な上にシャイなんだ。悪いな、白鳥くん!」 「そうですか、会えたら…この前助けてくれたお礼が言いたかったんですけど…」 「大丈夫だ、私が伝えておこう…それより!!すずりんはどうだった?エロかったか?」 「うむ、中々…だがあれだな、胸が貧相なのが欠点──」 次の瞬間、俺は突如何かに躓いて転んだ!一体何が…と地面を見ると、そこには何故か地面から突き出た鎖の姿が! 「言い忘れていたが、すずりんはかなりの地獄耳だからな。半径25m以内ならどんな小声でも聞き取れるらしい…帰り道に気をつけておけ──」 次の瞬間、宮城さんもド派手に転び、床に頭を半分埋めた。 「ドリフかよ…。」 ======================================================== 「いやぁ、壮絶な戦いだった!」 額についた汗の拭うような動作をしてみる。 寮にようやく帰った頃にはすっかり外は暗くなり、完全に夜を演出している。 「あぁ、私はそうでもなかったがな。何故か鎖に絡まれてリンチに遭ってからはヤツも大人しくなってしまったし…。」 まぁ、子乃ちゃんに総本部で暴れられるのが一番不安だったんですがねェ…。 何はともあれ─── 「お腹空いた………めちゃくちゃ空いた。とっとと帰って弁当食べよう。朝から何も食ってないし……敷いて言うならお茶飲んだ。」 「あぁ、私も朝のお前の手料理から何も食べてないな!!!」 「…………?」 食べてない…?それはおかしいッ!子乃ちゃんは昼間に十分弁当を食べる時間があった筈だ……! 「まぁいいや…考えるのもだるい。じゃあ食べれなかった弁当食べるか…」 「おー!待ってたぞ!」 妙にテンションが高いな子乃ちゃん…まぁいいや、本当に考えるのもだるい。 「それじゃあ弁当………うおらっしゃあああ食うぞぉおおおおおいただきますッッ!!!!」 テンションあがってきたぜよァアアアアア!!! 何の捻りもない日の丸弁当だけどテンションあがってきたぜよァアアアアアアア!!!!!! 同じく弁当を開け箸を握る子乃ちゃんは、何かを呟いた。 「やっぱり、弁当は───貴様と二人で食べるに限る…な…」 しかし、何やら柄にもなく小声で言ったのか何を言ったのか聞き取れない! 「なんだって?子乃ちゃんもう一度言って!飯に集中して聞こえなかった!!!!あーうまい!」 次の瞬間、俺は本日最後の床埋まりを経験する───何故だ。 ちなみに、第二の壱河鈴莉と化した将来結婚したいランキング一位の京塚先生だが、彼女自信も白鳥のことを忘却していたらしく、何も問題はなかった。
https://w.atwiki.jp/energyseed/pages/135.html
美鈴 転職条件 チルノ+美鈴人形or紅魔郷秘伝書物 中国じゃない 成長率 #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 HP MP 攻 守 素 魔 精 S E A S C E E 備考 ・我的名字是紅美鈴。だから中国じゃないですー!・紅魔館の門番をしている妖怪。でも、館の中の客人やメイド、主人の方が強いって門番としてどうなのだろう・・・。・能力の伸びはまさに門番というべきかHPと守備力が大きく伸びる。反面、MP・魔力・精神の方はさっぱり。門前で睡眠=精神が弱い? 習得スキル 名前 習得SP 威力 消費MP 属性 判定 攻撃側/防御側 備考 華想夢葛 5 ? 4 - 攻撃 攻撃/防御 単体攻撃+動封 彩雨 15 ? 10 - - 攻撃 自分回復 彩光乱舞 30 ? 12 光 魔法 攻撃/防御 3-4連続攻撃 対象ランダム 地龍天龍脚 50 ? 10 土 攻撃 攻撃/防御 単体攻撃 極彩颱風 75 ? 20 - 魔法 攻撃/防御 全体攻撃 崩山彩極砲 100 ? 20 - 攻撃 攻撃/防御 単体攻撃 背水の陣 1000 - 50 - - - 現在HPを半分消費+全能力80%上昇 自己再生や連続攻撃など技の種類は豊富だが如何せんMPが足りない。何らかの手段で補わないと道中ですぐに息切れを起こす。 _,,,...、-‐- 、--ヘ / __. 〉 龍>、 / ,. -ァ7´/`'ー'ぇ,!_ ヽ ノ .// // / / , ィ、 、ヽ、ヽ { / i /, l /7‐i、 / / l. l l `ヽ、 皆さんのために頑張ります!! ゙y' l | ! ir‐zk、`'^l !_/i !、ト、 l / ! ,ハ、 ト ヒノ ,-,、'/ l | l |ヽ! /,. |/ゝ'イ、 , 〈ンイ' ,ノ/,ハl /,ィ | ,-r'ーァ'_,lヽ ー ,.ィ', Y ( イノ レ lrくrノ=ニr'/ `,アi "_/ィニ..、ヽ\ r‐‐く,fソ/ ./l ̄´,.-ァ‐‐--- 、 `ヽ,ー`丶..,,_ トr‐ァi^ーr/ ,l ,レ', ,、 . ` く、ー--`ー、 `ヽ、 . ,-' y' ,!/大'´ レ'〈 f' ハi´  ̄`丶、 `丶、 ヽ ヾ、 ヽ . l-,f (_`/十ト-‐ ' ゙レ'´ ゝ _ヽ,r /`ヽ、 ヽ、 ヽj '´ `l /´i Lノ / ,/ノ`ー-‐-'-`ー-ヽ..,,__ノ l ,ノ〉 / `iー | i ,r' / ヽ ヽー、 、 / ヽi _l_ Y_ノ 、ヽ \ ヽ \ ハ V -‐、!. ! ` 'f \ヽ ヾ、 ヽ )ノ lノ }、_/ ! 、ゝ-z=, ヽ、lヽl ヽ |/iノ ´ コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yamitya/pages/20.html
ルカ LOOPTHELOOP 飽食の館のキャラ。 宮藤芳佳 ダークネスウィッチーズのキャラ。 元キャラはストライクウィッチーズに登場する主人公宮藤芳佳。 カルラ=ルーピ ダークネスウィッチーズのキャラ。 モデルは神流。 ルキェアーノ・サイズェルドゥ ダークネスウィッチーズのキャラ。 モデルはルキ。 相川 結衣 ダークネスウィッチーズのキャラ。 モデルは執事。 リンフィア・ミハイロフ ダークネスウィッチーズのキャラ。 モデルはりん。 レクセウス・ペトラウシュ ダークネスウィッチーズのキャラ。 モデルはレクセウス。 レイラルド・フォン・シュレイダー ダークネスウィッチーズのキャラ。 モデルはレイ。 神月紗妃 ダークネスウィッチーズのキャラ。 モデルは サクヤ 。 メロデイナス・マジェルタマッダ ダークネスウィッチーズのキャラ。 モデルは㎡。 男 神流の小説男と少女のキャラ。 いまをときめく大学2年生。普乳派。 少女 神流の小説男と少女のキャラ。 電波系中学生なりたて少女。男の部屋にあがりこんではジュースを飲んで帰る。
https://w.atwiki.jp/peehp/
未完成小説 「マルチ物語」 今日 - 昨日 -
https://w.atwiki.jp/lightnovel-words/pages/40.html
小説探偵GEDO 「責任がないとは言わない。でもあの子たちは、自分に対してだれか大人が責任を持つことなんて望んでやしないわ。そんなことができると思う大人は傲慢よ。奢っているのよ。」 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 小説探偵GEDO/桐生祐狩
https://w.atwiki.jp/38410/pages/12.html
僕はある日幻想郷に迷い込んでしまった、そして帰る方法が分からない僕は 幻想郷でのんびりと暮らしていた、そんなある日僕は魔法の森という所で ボール遊びをしていた、そしてそのボールが魔理沙の家のガラスに 当たってしまった僕はやばいと思い逃げた、その数日後僕は魔法の森へ再び 行った、理由は魔理沙の家の様子を見るためだ、そして、そこで魔理沙と会った 魔理沙は腕を怪我していた よっ!〇〇こんな所で何してるんだぜ? 僕は驚き咄嗟に散歩だと答えた、そして 僕は魔理沙に聞かれた、 なぁこの間さ私の家のガラスを割った奴がいるんだぜ お前何か知らないか?、と聞かれ僕は知らないと答えた、 その後 霧雨家 なんだかあいつ怪しいのぜ、妙に怯えてたしきっとあいつなのぜ、 許せない絶対に許せないそう思うと心に怒りの炎がメラメラと燃えて くる そして更に数日後僕は魔法の森を再び散歩していたその時背後から声を かけられた、よぉ〇〇元気か?と聞かれ、うんと答えた、 魔理沙は僕にこう言った私さお菓子もらったんだけどさ 1人じゃ食べきれないんだぜ、と言われ 魔理沙の家に招待される事になった、僕は魔理沙の家で オレンジジュースと お菓子をご馳走になった、そして帰ろうとすると意識が朦朧としてきた そして意識を失った、目を覚ますと僕の手足は鎖で縛られていた、呆然とする僕の前に現れた魔理沙の顔は明らかに 怒っていた、そして僕にこう言ったお前私の 家のガラス割ったよな?と聞かれ僕は素直に答えられなかった、すると 魔理沙は僕の体を竹刀で叩いた、物凄く痛い何発も何発も 竹刀で叩かれ僕は心が遂に折れた、僕が…僕がガラスを割りました、そして 霧雨魔理沙様の大事な体に傷をつけましたと、僕は泣きながら言った 魔理沙はこう言った、許して欲しければ私のお仕置き全部受けろと言われ 僕は頷いた、そして地獄の様な拷問が始まった、竹刀から始まり、僕の体の上に馬乗りになり毒霧、ムチ責め、蝋燭責めをされた あまりの痛さに痛いんだよおおおおおおおおおおおお!!!!も゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!と 僕はキレた、だがそれを上回るように魔理沙がキレた 痛いのは分かってんだよおいオラァ!!!! その後僕は魔理沙のベットの毛布に包まり泣いた 泣きじゃくる僕に対して魔理沙はこう言った、あたしの事 気持ちよくさせれたら許してやるぜと 言われ、魔理沙の足先から舐めたり、ぴちゃぴちゃ舐めて クンニしたりした、 だけど魔理沙を気持ち良くする事が出来なかった、 気持ちよくできましたか?と聞かれ「出来ませんでした… と答えると魔理沙は、じゃあオラオラ来いよオラァ!!!! 僕はトイレに引きずられて行った 掃除しろと言われトイレの便器に顔を押し付けられた、 悪い子は便所掃除だと言われたり トイレの便器におしりを無理やり入れようとしたりしてきた わかる? 突っ込め。突っ込めって言ってんの、ね? 突っ込めって言ってるんだぜ!! 入らないのか?、魔理沙は不満そうな顔をする、まぁいいやお前…、今日から…、便器なんだぜ、僕は便器に座らされ おしっこを掛けられる おしっこをかけられた後魔理沙は僕をお風呂場に連れて行った、ほらお前の為に 水風呂用意しといたからと言われ僕は水で体を洗われた、 そして水風呂から出た後僕は押し倒されて犯された何度も何度もそして僕は 魔理沙の中でイってしまった、そして魔理沙におまんこを しゃぶれと言われしゃぶった、一生懸命に何度も何度も ~~終幕~~ 魔理沙「こっち来い…」 〇〇「うん、…」 (窓際に連れて行かれる) 窓「ガラガラガラガラガラガラガラガラ…」 窓「ピシッ!!!」 (締め出される) 〇〇「ねぇ助けて、ね、助けて入れて!(ガンガンガンガンン…)」 窓「ピシッ!!!」 〇〇「ねぇ寒い入れてよぉ…入れてってばぁ…n(ガンガンガンガンガン…)」 「はぁぁ…」 そしてその後、朝までベランダに放置された後、性奴隷になる条件と 引き換えに、家の中に入れてもらった、僕は魔理沙の性奴隷としてずっと魔理沙と暮らしています、魔理沙の性奴隷として暮らす事が僕の償いです、僕が…僕が魔理沙を傷つけたから。 PS 最近誕生日に魔理沙からプレゼントで首輪を貰いました 魔理沙は僕に良く似合ってると言ってくれたので嬉しいです
https://w.atwiki.jp/spade-royal/pages/15.html
小説版Spade royal Spade royalにはこのゲーム自体を基にした小説を書く企画が存在する。ゲームの通り、SA~S6のそれぞれが勝利するストーリーに加えS7所持者がSAと同時に勝つストーリーの計7つのストーリーが存在する。ストーリーによって筆者は違い、またそれぞれプレイヤーの描写にも違いがみられるが、舞台等基本事項はすべて統一されている。 メインストーリー 現在編集中。 登場人物 全てのストーリーで共通。 SA - 二階堂 凌 S2 - 桂樹 美衣 S3 - 設楽 結香 S4 - 御代川 詩央 S5 - 小鳥遊 文月 S6 - 水原 弦 各ストーリー筆者 - SA,S2,S6,Extra … wind - S3,S4,S5,S7 … Iris.M.S S7の所持者はストーリーによって異なる。 !以下編集中!
https://w.atwiki.jp/rakatonia/pages/16.html
移籍所ジャンル別一覧 真・恋姫無双 エヴァンゲリオン とある魔術の禁書目録・とある科学の超電磁砲 ゼロの使い魔 魔法少女リリカルなのは ONEPIECE NARUTO Fate/stay night モンスターハンター ドラゴンボール ドラゴンクエスト 家庭教師ヒットマン ハリー・ポッター 戦国BASARA 東方Prject HUNTEL1×HUNTEL BLACH 銀魂 バカとテストと召還獣 FFⅠ~13 鋼の錬金術師 今後も追加予定
https://w.atwiki.jp/poke-news/pages/46.html
連続小説[ピィとわたし] 第一回 目が覚めてカーテンを開けると雨が降っていた。思えばあいつと会ったあの日も雨が降っていた…。 決して忘れない。 自分の人生が変わったあの日を。生きる希望を見つけたあの日を。 二年前。 「おいっ!早く盗るもん盗ってズラかるぞ!」 私はいくつかモンスターボールをつかんで用意した袋に放り込んだ。 「ボケッと見てねえでお前らもやるんだよっ!」 私は仲間に指示をした。 「でもよぅ…他人のポケモン勝手に盗んで売るなんてあんまりひどいじゃないか…。」 仲間の一人が言った。 「俺にもポケモンいるし、同じことされたらたまんねぇよぅ…。」 「情けねぇ事言ってんじゃねえよ!他人の事なんか知るか!ほら!さっさと入れろ!」 そう言うと仲間はしぶしぶボールを袋に入れた。 「アンタにはポケモンがいないからこんなことが出来るんだ…。」 仲間は私に言った。 「…。」 「ポケモンがいたらこんな酷いこと出来っこねぇよ…」 「うるせぇ。お前に何が分かる?自分のポケモンに裏切られた事もねぇヤツがそんな甘いこと言ってられるのさ。」 私は言葉を続けた。 「ポケモンと人の明るい未来?んなもんは存在しないのさ。この世にはどこにも信頼なんてねえんだ。」 その時だった。 うすいピンクのようなヤツが私の視界に飛込んだ。 「ピィだ…。」 仲間の一人が言った。 ========================= 「ピィとわたし」 第二話 「ちょうどいい。こいつはきっと高く売れるぜ」 私はそう言ってピィの小さい胴体を掴んで持ち上げた。 ピィはわけがわかっていないのか、 怯える様子は無くむしろ楽しそうな顔していた。 遊んでやっているわけじゃないのに――と私はその無邪気な笑顔に苛立った。 すると仲間が言った。 「おい!その子はまだ赤ん坊だろ!?売り飛ばすなんて可哀想すぎるじゃねぇか!」 「うるせぇよ、こういうのを可愛い可愛いっつって高値で買うような 物好きな奴らは大勢いるんだよ。売らねぇでどうする」 「でも・・・!」 私と仲間が言い争いをしているうちに、ピィは私の手につかまれたまま 眠ってしまったようだった。 ピンク色の寝顔を見た私の心に現れた感言葉は、信じられないことに、 「愛しい――」 ただその一語だった。 「なぁ、おい・・・」 仲間が、ピィの寝顔に見入っている私の名を呼んだとき、 私の心は既に決まっていた。 ================================ シンオウ新聞連載小説『ラッキーパンチ』 第三百二十三話「襲撃」 「ラッキー狩りだー」 ゴヘイは、そう叫ぶと監視塔の鐘をジャンジャンと派手に鳴らす。 その音で村人は家から顔を出し、年寄りは辺りを見回しすぐさま 木戸を閉めつっかえ棒で戸締まりをする。 数少ない若者は自分のモンスターボールを確認した後家を飛び出す。 「気ぃつけてな」 青年の母親たちは火打ち石の火花で青年たちを送り出す。 ラッキー狩りの連中は「楽機射命」などと書かれたのぼりを たてて、ドンファンやサイドンの背中に乗り村に迫る。 その数、ゆうに20を越える。 ヨスガに住む彼らは、ここズイタウン周辺を縄張りにしているのだ。 「キヒヒ、今日はしあわせたまごがいくつ手に入るかなぁ」 リーダーのゴンゾウは舌なめずりをした。 =============================- シンオウ新聞連載小説「ラッキーパンチ」最終話(第三百六十話)「終焉」 ラグラージの濁流が、最後のドンファンの群れを飲み込んだ。 濁流の流れのあとには、唯、ドンファンやサイドンが倒れるばかりであった。 もう誰も、立ち上がるものはいなかった。 戦いは終った。 「勝ったぞ」若い衆はそう叫びながら、村へと走っていった。 確かに戦には勝った。全てが終った。 しかし、ゴヘイは虚しい気持ちになった。 これほどまでに傷を負って戦う意味が何処にあろうか。 戦わずして人の世に安泰は訪れないのか――。 ――しかし、全ては、もう終った。 ゴヘイは虚しい戦場を後にし、村へと向かった。 さあ、祝いの宴だ――。 ~おことわり~ 小説「ラッキーパンチ」は、作者の体調不良のため、予定を変更し、 本日連載分をもちまして終了とさせていただきます。 長らくの御支援、誠に有難うございました。次回作にも御期待ください。 [[@wikiへ http //kam.jp" META HTTP-EQUIV="Refresh" CONTENT="0; URL=http //esthe.pink.sh/r/]]